羽毛リフォーム工程

「フランス産ダックの偽装問題」で何かと話題の羽毛ふとん。テレビの情報番組でもこの件に関して取り上げられていましたが、最近では何となくフェードアウト気味に・・・。業界人としては、悪いところは一気に膿を出してほしいところなんですけど、長年の悪しき慣習とやらは一朝一夕と改善されるところまではいかないようです。で、本日は新品の羽毛ふとんの話ではなく、「羽毛リフォーム」のお話しをさせていただきます。

中身の羽毛がダウン率50%を超えるものを「羽毛ふとん」といいますが、当店ではダウン率70%以上の羽毛ふとんは「羽毛リフォーム」ができますとご案内しております。言い換えれば、それに満たない羽毛ふとんなどは「羽毛リフォーム」ができないため丁重にお断りしております。(長年の使用で製品タグに記されているはずの品質表示が読み取れない場合もございますが、中身を確認させていただければ、「リフォームができる・できない」は判断できますのでご相談いただければと思います。)

「羽毛リフォーム」をされる場合、ある意味、新品の羽毛ふとんを買う時よりもより慎重にお店を選ぶことが求められます。せっかく品質の優れた、高価な羽毛ふとんでも、リフォームの仕方によっては残念な結果になることが往々にしてあります。その最たるものの1つが、側生地のランクを安易に下げてしまうこと。

「羽毛リフォーム」の場合、側生地の選択如何でリフォーム後のお値段に違いがでてきます。最もお値打ちに仕上がるのが化繊混紡のTTCの生地で柄はおまかせというパターンでしょうか。当店はふとん側生地は綿100%を推奨しておりますので、このランクは基本的にお勧めしておりません。綿100%の側生地では40ツイル(綾織)が一番お値打ちに仕上がります。できるだけ安くと思う気持ちは分かりますが、それだけに囚われると使用感が以前とは全く異なる(悪くなる)ことになるので、側生地選びには注意が必要です。

生地に使用される糸の番手や織り方によって風合い(ドレープ性)やフィット感が異なりますので、リフォーム前の側生地のスペックをできれば確認しておきたいですね。わからない場合はお店で尋ねていただければ良いと思います。

40(番手)ツイル→60(番手)サテン(朱子織)→80(番手)サテン→100(番手)単糸サテンと番手の数字が大きくなるほど一本の糸が細くなり、生地がなめらかになっていきます。羽毛ふとんのガサガサ音が気になるのは、番手の小さい生地などによく見受けられます。

例えば、80サテン側生地の羽毛ふとんをリフォームするにあたり、値段の安い40ツイルの側生地を選択してしまうと、明らかに今までとの使用感が異なってしまうということです。せっかく羽毛リフォームするなら、今まで使ってきた羽毛ふとんと同等以上の側生地を選んでいただきたいと思います。中羽毛のスペックが良いほど、せつにそう思います。

羽毛ふとんのリフォームにおける新しい側生地の選択について少しお話ししました。きちんとリフォームしていただければ、さらに10年は気持ちよく使っていただけます。

当店の羽毛リフォームのメニュー。詳しくは、コチラをご覧ください。

gawakiji